公益法人を運営するとき、判断に困ることがあります。
専門家に丸投げできれば、答えは出てきますが、そうもいかないこともあると思います。
そのようなときは、「公益法人Information」サイトにある、「公益法人FAQ」を参考にするとよいです。
直接的な答えがあるとは限りませんが、内閣府に問い合わせが多かった質問が列挙されており、近い質問がある確立が非常に大きいのです。
最終的には、専門家に回答を得るにしても、自分たちであたりを付けるには、最適な「よくある質問集」なので、一度覗いてみましょう。
公益法人の構造を知る
「公益法人FAQ」は、以下のサイトにあります。
公益法人に関わる法律に従って、目次が構成されています。
この目次をまず、覗いて見ましょう。
以下のように、11項目+その他で、構成されています。
① 公益申請、移行の認定、認可申請手続き
公益法人を設立する際に、必要な手続き関連です。
② 役員の選任
役員登記に際、気をつけるべきこと
どのような人が選出できるのか、理事会や総会での決議についてなど
特に、このご時世で、リモート総会での決議が認められるのかなど、タイムリーな質問もあります。
③ 支部・合併等
公益法人には、全国に支部があるケースもあります。
移行前は、別々の団体として存在していることも多く、移行後の注意事項などが記載されています。
④ 公益認定基準(機関設計・運営に関するもの)
公益認定を取得する際、理事や評議員の役員に関するものです。
⑤ 公益認定基準(財務・会計に関するもの)
公益認定の基準を満たす財務・会計についてです。
公益認定基準を維持するため、記述的な処理について解説されています。経理担当者が一番よく参考にするところです。
⑥ 移行後の公益社団法人・公益財団法人の運営
移行前と移行後では、基準となる会計が異なります。
この移行方法や、気をつけることについて、経理を中心に回答されています。
⑦ 欠格事由・認定取消し
公益認定を取得して運営していても、事情により、認定取消しになることがあります。
認定取消しの際、どのようなことになるのか知っておくのもいいかもしれません。
⑧ 公益目的事業(基本的事項)
公益認定を得るには、この「公益目的事業」を行う必要があります。
公益目的事業であるかどうかの判定について、まとめられています。
⑨ 公益目的事業(各論)
公益目的事業には、いくつか決められている事業があります。
しかし、すべて認められるわけではなく、否認されることがあります。これらの事例を含めて、解説されています。
⑩ 公益目的支出計画に関するもの
公益目的支出計画とは、以前公益事業として行われたものや資産を、償却していくことです。
昔の公益事業を引き続き、公益目的事業として運営する場合は、公益認定を取得して、事業を継続します。
しかし、公益認定を取得せず、一般の公益法人として運営する場合、今まで行っていた公益事業を継続しないということになります。
そのため、事業を運営する際に使われていた資金や資産を償却して、事業の終了をさせていく計画をたてる必要があります。
これが、公益目的支出計画を言います。
⑪ 変更認定・認可・届出手続きに関するもの
役員変更、住所変更、事業の変更など、届出の際、決まりごとが細かく設定されています。それについて、解説されています。
その他
役員登記であれば、法務省。
公益法人が行う共済事業については、金融庁。
それぞれのリンクサイトを紹介されています。
公益法人会計基準で一番悩むこと
このように、公益法人には、様々な決まり事があります。
特に、公益認定を取得している場合、「収支相償」問題に絶えず気を配る必要があります。
この「収支相償」」は、公益目的事業を黒字で繰り越さないという制約です。
公益のために使われる資金を、内部留保させないことが目的です。
このように、法人運営は、日々気をつけることが多いのが実情です。
公益法人運営でまずは抑えておくこと
色々気を使うことが多い、公益法人運営です。
設立までは、専門家が一緒にやってくれるケースが多いですが、問題は、設立後の運営です。
全部の法令を抑えておくことは難しいですが、ポイントがあれば、それだけでも理解しておくことはいいかもしれません。
今まで、見た様子ですと、理事会や総会の決議の範囲と、定款を忘れないでおくこと。そして、公益法人会計基準の理解があれば、とりあえずは、日々の運営に困ることはないでしょう。
しかし、わかったつもりで、間違えた解釈のまま進めてしまうと、あとから所轄行政から指摘や勧告を受けるリスクが大いにあります。
この「公益法人よくある質問(FAQ)」を見て、粗方の回答を見込んだ上、専門家や顧問の事務所に問い合わせて、確証を得ることをお勧めします。