経理は、人が行います。
そのため、どうしても間違いが起きてしまうリスクをはらんでいます。
小規模であろうと、大規模の団体であろうと、関係ないようです。
相当な悪意を持って、行われる不正経理は、外部監査等によって見つけ出すしかありませんが、ケアレスミスや、担当者レベルのちょっとした出来心による事故は、工夫次第でいくらでも改善することができます。
今日は、ちょっとした工夫でできる不正経理対応をみてみましょう。
経理担当者がたった一人である
小規模の団体の場合、人員が少ないため、一人で経理担当を任されることがあります。
しかし、これは、担当者の善意で成り立っているため、いつ事故が起きてもいたしかないでしょう。
また、悪意がなくても、ルールを知らなかったことで、間違えた処理をしてしまうこともあります。
この場合、内部統制の仕組みを導入しましょう。
金庫の現金残高を毎日、ダブルチェックする、毎日は無理だとしても、せめて週に1回は、現金実査をダブルで行うだけで、効果は出てきます。
入金台帳、請求書、など、現預金の入出金確認を、事務局長が行うと、経理業務に緊張感が出てきて、事故が起こりにくい環境になります。
経理担当者が退職してしばらくの間担当者が不在である
私が知っているケースで、2件現金が紛失しました。
これも、いずれも経理担当者が退職後、誰も管理していないときに起きています。
暫定的であっても、現金出納帳と現金有高を、きちんと管理する人を決めておくようにしましょう。
通帳や印鑑、現金の扱いが雑である
銀行印と社版が、鍵の付いていない引き出しに入っていることも、これに含まれます。
ハンコの扱いが雑な事務局は、ほぼ、事務業務が上手くいっていないことが多いのです。玄関の靴を揃えられない人は、仕事が雑であるのと一緒です。
これも、内部規定を整えて、管理する担当者をきちんと決めておく必要があります。
「うちの事務所は、誰もこないから、大丈夫」は、外部にスキを与えていると思っていたほうがよさそうです。
このように、ほんの少しの工夫で、経理の事故を防ぐことができます。
一旦、事故を起こしてしまうと、信頼を回復させるのに時間がかかってしまいます。
会員から預かっている会費や、寄付は、事務局のものではありません。
公益事業や、団体運営のために、たくさんの方から託されているものです。
内部統制は、面倒と思われるかもしれませんが、できる範囲だけでも十分な効果があり、最終的に経理事務の効率化に結びつきます。
ぜひとも、決算の前に、きちんと機能しているか、見直しをおすすめします。